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paint it 'blue'
2009年05月18日

例えば「青」と言ったときに、Aさんは紺色っぽいネイビーブルーを思い浮かべるかもしれないけど、Bさんは透明な水色を思い浮かべるかもしれない。実際に生じている現象としてはまったく違うものなのだけれど、言葉で説明するとそれは確かに青であることに間違いはなく、2人ともそのことに疑いを持っていない。疑いを持つべきであるという発想すらない。

言葉というのはつくづく不自由なものですね。不自由なだけではなく、人がもともと持っている自由をすら奪うこともある。

自分の性癖や嗜好に対して、「これはM性とは違うのではないか」という不安で、SMクラブを訪れることができない人や、訪れたとしても罪悪感を感じたり、ヘンな遠慮をしてしまう方って、意外と多いです。

貴方が抱えているものは、貴方が考える「Mの定義」とは違うのでしょう。でもね、そんなものは「青」と言ったときにネイビーブルーを思い浮かべるか、水色を思い浮かべるかの違いみたいなもんなんですよ。貴方はネイビーブルーこそ青だと思っているかもしれないけど、何の、水色の貴方も立派な青です。中には緑をしゃあしゃあと青だと言い張る図々しいマゾもいるぐらいですから、負けてちゃダメですよ。
痛いのがダメだろうが、女はさておき足にしか興味を持てなかろうが、ひたすら馬乗りされるだけで時間を過ごすだけで他のことは何もいらないというのであろうが、言葉責めされるとつい笑っちゃうのであろうが、SMクラブに行ってみたいな~と思ってしまった時点で、それはもうMです。来る資格も価値もあります。安心して下さい(していいのか)。どうしても勇気が出ないという方は、私が背中を押しますので。

そうそう、言葉の不自由さと言えば…。
以下は前にもどこかで出した話題なので畳んでおきます。この話が二度目の方はゴメンネ!&経験者向きの話です。

繰り返しになりますが、言葉というのは、とても不自由なもので…。

「縛られたい」と言っても、最終的には何がほしくて、どんなことを感じたくてそれを望むのかで、縛っていく過程や結果として出すものはまったく違ってきます。いくらもがいても逃げられない絶望を求めているのでしょうか? それとも圧倒的な支配を感じることができる拘束感が欲しいのでしょうか? もしくは、あられもなく恥部を曝される羞恥ですか?

「上品な衣装がいいんです」。あなたの言う上品って、どんなことでしょうか? スーツが上品だという人もいれば、体にピッタリ合った黒革のボンデージ衣装を一分のスキもなく着こなせることが上品だという人もいます。豪華なフリルをふんだんにあしらったランジェリーもまた、上品ですね。何をもって上品とするかは、生まれや育ちによって大きく変わってくるでしょう。

「鞭が大好きなんです」。新人時代の私は、その言葉を「自分の定義で」真に受けて、彼の悲鳴を無視して散々鞭でひっぱたきました。彼が好きだったのは鞭で打たれることではなく、鞭を持った女王に支配されることや、その雰囲気でした。

「貴方のお好きなようにめちゃくちゃにして下さい」。これも新人時代の話。病院送りにしなくて良かったです。貴方はもう二度と私のところには来ませんでした。貴方の考える「めちゃくちゃ」と私の考える「めちゃくちゃ」は違っていたんですね。

自分が当たり前だと思っていることを、他人も当たり前だと思っているわけではないということに、SMに限らない、人と人との関係における悲劇があると思います。

もしも「話のわかっていない女王が多すぎる」とお嘆きの方がいらっしゃるようでしたら、一度私とすりあわせをしようじゃございませんか。それはきっと、世の中話のわかっていない女王ばかりが跋扈しているわけではなく、お互いが「青」だと考えるものが微妙に違うだけなのです。
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早川舞

Author:早川舞
 女王様と編集者の二足のわらじを経て、SM・フェティッシュ分野を得意とするライターに。

 共著『可笑しなヘンタイ図鑑』(宝島社)、『Girl’s Side Book』『Girl’s Side Dictionary』(池田書店)、オタクが腐女子に、さらに女王様になるまでを描いた自伝『女王様はオタクだった 腐った遺伝子』(大洋図書・電子書籍)等の著作がある他、北尾トロ氏責任編集『季刊レポ』(ランブリン)にてSMの歴史や女装をテーマにした記事を寄稿。SM専門誌・ウェブサイトでも活動。

 メンバー全員女王様ロックバンド「SEXLESS」なんてのもやってたり。


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